サックス話ばかりでは面白くない。タイでの体験話でスパイスを少々効かせましょう。

バンコクの中心地の一つ、スクンビット通りでバスを待っていたら中年女性が突然、「いい靴ね! どこで買ったの?」と、英語で話掛けてきた。使い古した靴がいいはずはないのに。で、一瞬でピンときた。「ははーん、これは在タイ日本大使館も注意情報を流している詐欺犯の手口だな」、と。ついに来た来た俺にも、と喜んだわけではないが、好奇心から女の話に乗ってみた。「いい靴ね」は取っ掛かりで、本音は別にある。「実は、私の妹が来月日本に行くんだけど、どんな所か教えてもらえないかしら。家はXXにあるからそこで話してもらえたら」、と。この後はお決まり展開があって、最後は金品など身包み剥がされるというパターンだ。
女が英語で、俺がタイ語で話すという珍妙さに周囲は不思議がっていたのではないか。つまり外国人がタイ語を話しているのになんでタイ人が英語かと。話は簡単で、会話の中身を他人に知られたくないのだ。失礼ながらタイの一般人で英語を解する者は殆ど居ない。「無理に英語使わなくていいよ」と告げると、手口を知られたと悟ったのか、それまでのトーンが一気に下がって「それはあなたが外国人だから・・・」と言い訳が返ってきた。
「俺のホテルに来るならロビーで話してもいいよ」、と言ったが、OKするはずもない。カモに対しては役者(共犯者)の待機している自分のテリトリーに引きずり込まなくてはこの詐欺は成功しないのだ。
後ずさりしてこのバス停光景を写真に収めようとしたら女は急ぐように離れて行った。オイオイ、バスに乗るんじゃなかったの?写真はその直後に撮ったもの。
多くの日本人がこの種の詐欺に遭っているそうだが、非日常を前にすると舞い上がってしまうのか、危なっかしい人も随分見かけた。数日前のニュースでは、在外日本公館の中で邦人が援護を求めて駆け込むのはタイ大使館が最も多かったとか。年一万数千件だったような。すると、日に30件以上か。今日も数千人がスワンナプームに舞い降りる。
訂正:2008年の在タイ日本大使館による邦人援護件数は1,231件の誤りでした。やはり在外公館の中ではタイが16年連続で最多だそうです。
PR