二日目の夕方に取り付けてから昨日まででメーターは360kmを表示している。
30-40kmの大きいのは3本ほどやったが、結構街中を走っているもんだ。
オレが最初のアパート経験をしたPアパート前を通ると、ガーデンにファランが一人で居た。
「あなたはイタリアンでしょう?」と言うと、
そうだと頷きながらも、何故知ってるんだみたいな怪訝そうな表情をする。
この男は3年前に同じアパートに滞在していた人で、オレがイギリス人達と飲んでる時も一切加わらず、いつも一人で居た。遊びに出歩く事もせず、いつもアパートで過ごしていたから、貧乏ファランがただ滞在してるだけと思っていたが、最後の晩に少し話す機会があった。
「平均的な日本の家はいくらぐらいするもんだ?」とか、オレはその時の会話も覚えているのだが、この男はそんな事全く忘れてしまった様だ。
今回も同じアパートに同じスタイルで滞在してる様だが、どうにもこのファランの思考が理解出来ない。
今宵のスタートは一人で飲む事にしようか。
コーナーテーブルでリオヤイを飲みながら、このコンドミニアムの何処かにロシア人アナはいるのだろう。半年前にアナは自国人とは付き合わない、距離置いてると言ってたし、病気の今彼女を訪ねてくる友人知人はいるだろうか。もし居なければ寂しい想いをしてるのではないだろうかと想像。
管理人に話せば部屋を教えてくれるかも知れないが、突然訪問しても果たして喜んでくれるのか、はたまた今の境遇を見せたくないかもしれない。あれやこれや想像すると、「ああ、めんどくさい、止めておこう」。
このところ、オレの滞在スタイルもワンパターンになって来た。
まだ2/3残っているから、立ち寄れる所を新規開拓しなくては・・・