2/8日記より
夕方、トーイから呼びかけられた。
「コボリ、今夜私の誕生パーティするから来てね」。
「クラップクラップネーノーン、もちろんだ。で、何歳の誕生日なの?」
「60歳」
予定の時間に着くと背の高いファランも居て、「ハッピーバースデー・スィート・シックスティーン」と歌う。
シックスティーンとシックスティではエライ違いだ。
そこにジェラードもやって来て、一輪花とハート形容器に入った何かをトーイにプレゼントするではないか。気の利くやつだね。
オレも考えないわけではなかったが、そんなの売ってる所も知らないし、時間も無かった。
代わりに、ナムフォンが好きだと言ってた寿司パックを買って持って来た。
教えた日本語で、「これイクラ、これサケ」と呟きながら、イクラを一粒ずつ食べるナムフォン。
嬉しいね、こんだけ喜んでもらえるとは。
トーイの娘のエミーが鍋を作ってくれる。ウドンや豆腐も入れて、タイすき焼きというやつか。
(ウドンや豆腐は、そのままタイ語になっている)
そうこうしている内に隣近所が鍋をもらいに来るとエミーがビニール袋にタレを加えてお裾分けする。
此処ではありふれた光景だが、ジェラードは「オーストラリアではこんな事は絶対にありえない」と言う。
自身も国では隣の家の人がどんな人なのか知らないと言うし、今がたまらなく楽しいと言う。
彼はこの地で異次元を体験しているのかも。
ジェラードはいつものビールではなく、買ってきたワインとsiam satoとかいうタイの酒を飲んでいた。
悪酔いしたのか、
「ヨーロッパがアメリカを盗んだ。スペインが南アメリカを盗んだとか、1949年に日本が数百万人の・・・」
「オイオイ、今は二十一世紀だよ。今でも世界は十分でないが、当時は植民地主義横行の時代で・・・」
で、オレは思ったね。彼の様な歴史観に立つ人々が欧米にもまだ存在している。
慰安婦問題、南京・・・、国連分担金2位国が敵国条項からまだ削除されない等。
ワールドイズノットイナフ。
遅い時間だがもう1本飲みたくてWに行ったら久しぶりにRちゃんが出勤していた。
オレを見つけると挨拶言いながら胸を押し付けて来るではないか。
そんな事したって今日は胸にチップを押し込んでやらないよ。
時計見れば午前0時ちょうど。
今夜も酔っぱらってしまった。