マッサージ屋のお姉さんは半年前を覚えていた。
彼女らは客商売だから誰彼にも声掛けるが、大概は通過するだけ。
オレは時々立ち止まって相手していたからね。
思い出したのか、「コボリ、アレやって!」と。
デカ耳をかざすと、半年前を知らない新顔のお姉さんは一瞬、何事?の表情。
一発芸だから、タネがバレたら同じ所では使い物にはならないのが残念。
その先に進むと、いつものメンバーの中にウェンを発見。
一年ぶりだが、実はその時、彼とはケンカみたいな言い合いになってね。
でも、あとに残さないところが彼の良いところで、握手で再会。
ニューヨークからインド系アメリカンのドクターも同席していた。彼もこれで3回目だけど、あんな遠い国からよく来るもんだ。
ハースもチョンプーも、他に新顔ファランもいて、この時は満席だった。
ボスのpaは客の少ない時は不機嫌だが、今はホクホク顔で、「コボリ、あとで来て」と。
この後、バー街を流して一時間半後に戻ると、まだ連中らはやっていた。
失礼ながら本当はショボイ飲み屋なんだけど、人通りが多いのとチョンプーのキャラが良いので集まるだろうなと思っていた。
「まだずーっと居るから改めて来るよ」と今日のところは退散。
我々はあなた方の味方だ
隣のテーブルに居たファランはエストニア人と名乗る。
「エストニア?、ハテ何処か?」
そうか、旧ソ連邦のバルト三国の一つと思い出した。
「ソビエト時代は酷かったよ」
「その話し、よく分かるよ!、プーチンを見ての通り、ロシアを良い国と誰も思わない、増してソビエト時代なんて。we,most of all democratic country stand by you,not russia(民主国家の殆どはあなた方の味方だ、ロシアじゃないよ!)」。
初対面でいきなりこんな話が出来るのも此処に来たからだね。
南国の夜はやはり、エキサイティングだ。