半年後に3人組みは居なかった。
代わりにアイルランドからのデイブやハワイアン、ノルウェイなどと知り合えた。
観察すると、ブッカウから東方面はロングステイヤーのエリアらしく、同じ輩を見掛ける。
店先は変えても大体が近場を徘徊しているみたいだ。
で、顔合わせる内に自然にハローとか言い合えるようになったね。
中には「座らないか、一緒に飲まないか」とシグナルを送って来る人がいる。
彼らも基本的にすることの無い日々を送っているから、いつも同じメンバーで同じ話よりも、
偶には毛色の異なる人種とも接したいのだろうか。
有難いことにはオレにも分かる言語を使ってくれる事だね。
中には母国で話すスラング交えた言葉を投げかけてくるとさっぱり分からない。
仲間と会食を終えてもまだ早い時刻。これから何処へ行こうか。
今までならバー街へ繰り出していたが、何処へ行っても同じでは飽き気味だ。
そうだ、あそこへ行こう、あそこなら誰か居るはず。そこにはやはり誰かが居た。
この地に住む外国人は圧倒的にファランがマジョリティ。
この人達とも接するのが自然だろうな。
こうして、もう一つのコミュニティが生まれつつあった。
今回滞在日数の半分以上は通ったARN村のWも常連ばかりの店。
その内にお互いに、「ヤー!」を交わすようになって、席を一緒する事もあった。
これだ、コレこれ、バーで無駄金落とすよりこっちの方がよっぽど面白い。
臆する事無く接すればファランとも知り合い友達になれると知ったね。
そして、自分の溶け込めるコミュニティを持つ事、居場所がある事が如何にポイントか。
ロングステイはこれが無ければ退屈極まりないし、続かないと思った。
もしもアパートを紹介してくれたsomが居なかったら、それがPアパートでなかったら、そこに紳士なイギリス3人組が居なかったら、オレも日本語以外に喋れなかったら、
こうしたコミュニティに在りつけなかったのではないか。
その意味では運が良かった。
トライアル5ヶ月滞在の感想として、要は自分のリズムで、自分の馴染めるコミュニティを持つ事が快適なロングステイ送れるコツかと思っている。
2歳半当時のSomの息子Joshua。
今は7歳だが、この時を覚えていると言ってた。