パタヤ入り後に、米空母が近郊のレムチャバン港に寄港したとの読売新聞衛星版を偶々目にした。目的は補給と乗組員の休養だそうだ。休養ならば乗組員はパタヤに押しかけ、ビーチではあの水兵さんスタイルが見れるはずと友人と読んでいたが、残念ながらその水兵スタイルではなかったものの、明らかに海兵隊員と思しき数人を見かけた。髪は短くカットし、体はガッチリでTシャツスタイルがよく似合う。街中で見かける一般の長期滞在ファラン(タイでは白人を総称してファランと呼ぶ)とは異なり、とにかく一見して爽やかなのである。トップ・ガンで主役を演じたトム・クルーズといった感じだ。
しかし、思ったほど多くは俺たちの行動エリア内では見かけなかった。何故か? 実は居たのである。場所はパタヤ中央に位置する「We are the world] bar。ライブバンドが入っていて、この時期の22時~24時頃はいつも満席状態だった。なるほどこういう所で過ごしていたのか。海兵隊であっても酒とmusicは切り離せない世界共通嗜好品なんだろう。
ここのバンドはスゴイ、本物だ。おそらくフィリピンバンドだと思うのだが、oldiesを中心にどんなmusicでもこなすというところか。singerは男女が交代で務めていたが、二人ともの確かなボイスにチップをはずむ客も少なくない。中でも女性singerはスゴイ。身丈は150cmあるかないかだが、パワフルな歌唱力からたとえるとダイナマイト娘のようだ。ここのバーの面白いところは客がフロアーでパフォーマンスを演じたり、歌に覚えのある者が代わってマイクを持てるというところだ。あれだけ大勢の前でだから余ほど自信があるのだろう。トム・ジョーンズの「she is lady」を本場イギリス人が熱唱した時はひときわ大きい拍手喝さいがあったけど、テーブルに戻ったら涼しい表情していたね。カッコつけたのかな。
話は戻るが、何がダイナマイト娘かというと、その小さなボディーには似つかないパワーのある発声ぶりと声量である。プロのsingerはその為のトレーニングを積んでいる事もあろうが、一様に腹式呼吸で声帯をコントロールしているから楽に聴いていられる。世界のトランペッターの日野皓正氏がTV番組の「なんたら熱中塾」(だったと思う)で、上達への道を「楽器演奏と歌うのは同じこと。歌うように吹け」と言っていたのを思い出した。「歌いながら演奏はできんだろう」と、当初はピンと来なかったが、サックス練習で半年経った今考えると、なるほどそういう意味だったのかと解って来たような気がする。つまり、腹の底から出した歌声だからこそ上手に聞こえるし、又聴視者も安心して聴ける。吹奏楽器演奏も同じことで、腹式呼吸の大切さを説いた金言だったのだ。もっとも解ったとしてもできないのが凡人のツライところで、7ヶ月過ぎた今でもコツが掴めない。いつかブレークスルーの日がやって来るはずとの希望を持ってはいるが・・・
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