クーラーバッグに凍らせたペットボトル2本入れ、ゴルフバッグ担いで8時前にアパートを出発。
ソンテウに行き先を確かめ、40分で目的地に着いた。
もうすぐ本コースをラウンド出来るかと想像するとワクワクしてくる。
クラブハウスに着くとキャディらしきが近づいてきてオレのバッグを持とうとする。
アレッ、おかしいな、ここはセルフのはずだが、キャディ付に変わったのかな。
ハウス見るとRTC golf clubとある。
「ここはMarinesではないのですか?」と尋ねると、
「Marinesは10Kmサタヒップ方面に行ったところにあります」
ここで詳細な場所を聞いても、何を目印にしていいか、土地勘無いのに一人で行けるわけがない。
仕方なし、今日はここでプレイしようかと思っていた矢先、オレたちのやり取りを聞いていたのか車に居た黒人の男が「10Kmもないよ、6Kmくらいだ」。
男はRTCとMarinesの違いも説明してくれた。「どちらも軍管理のコースでグリーンフィーは300Bと同じだが、RTCはキャディ付、Marinesはノーキャディだ。Marinesに行きたいならそこを南へ数キロ行ってミリタリービークルのある所を右折し、2Kmほど行ったところにある」等々。
「君がどうしてもMarinesへ行きたいなら自分の車で送ってあげるよ」と言い出した。
ここは自力でいつでも来れるが、Marinesは最初は誰かに案内してもらわないとほぼ不可能だ。
これはチャンスかもしれないと男の申し出を受ける事にした。
車中の会話で黒人の男の名前はHill。58歳。アメリカボストンの出身で軍隊上がり。座間基地に10年居たそうで、2008年に除隊、今はジョムティエンに住んでいてこの地に永住すると言う。
オレは少ない年金だから日本・タイと半々生活を送っていると言うと、少ない年金は自分も同じだと言う。
ミリタリービークル(戦車の意味だった)が見えてきて右折すると「ここから2Kmほど先だ」と。
さすがに軍管理地で二か所の検問に遭い、IDカードの提出を求められたが持ってない。
タイ語話せるかの問いにヒルは「話せません。この人をゴルフの場所に連れて行くだけなんだ」とゴルバッグを指さすと、検問は「行ってよし」。
「ここだ」。写真にあったMarinesの文字が見えて来た。
「ミスターヒル、君は6Kmと言ってたが、どう考えても10Km以上走った気がするよ」
「そうだな、キャディが言ってのが正しかったな、ハハハ、ゴルフ楽しんでくれ、グッドラック」と言い残し、お礼に飯代くらいのチップを渡そうとしたがヒルは受け取らなかった。