特に何がある訳でもないが、ここに来るとゆっくり流れる時空風景がある。
滞在中に一度は必ず行ってるナクルアを流した。
ジェラードアパート真横に雑貨屋が出来ていて小さいテーブルが置いてあり、ジェラードや仲間内が時々集まっていたが、ファラン同士のトークを邪魔することもなかろうとスルーしていた。
夕方にはこのテーブルに一年半前にドゥディに長く住んでいた頭ツルツルのファランがいて、オレを覚えていた。
「(電話中の)この人の母親は日本人だ。ちょっと待て(電話は)すぐ終わるから」
電話終わった彼に、「あなたの母親は日本人って、ホント?」
母ではなく、グランパ(お爺さん)が日本人だそうで、鹿児島出身の倉岡性を名乗り、太ももに漢字で倉岡と刺青を彫ってたから、ウソでもなさそう。
国籍カナダ人の彼が言うには、「自分には日本人の血が流れている。グランパが居なかったら自分はこの世に生まれなかった。これは自分にとって大切な事。いつか鹿児島を訪ねてグランパの故郷を知りたい」と言う。
次に向かう約束があったから短い会話だったが、毎日通過する道だからもしまた会えたら続き話を聞けるかも。